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浴衣の帯結びとTPO、年齢について

こんにちは。

前回に引き続き、今回も浴衣についてお話ししたいと思います。
今回は、浴衣の帯結びとTPO、年齢の関係についてです。

浴衣の帯結びには、たくさんの種類がありますが、一番伝統的で定番となっているのは「文庫結び」と呼ばれる、蝶ネクタイのような形をした帯結びです。
これは江戸時代の士族の女性が結んでいた帯の結び方で、羽が2枚だけのシンプルな形をしています。それがきりっとした雰囲気を生み出しており、現在まで広く長く愛され続けています。

また、文庫結びのアレンジで、羽が4つになったリボンのような形の「蝶結び」もポピュラーな結び方になります。
結び方はここでは割愛しますが、どちらも簡単なので、この2つを覚えておくと安心です。

その他、片側の羽だけ2つ折りにせずに垂らしている「片花文庫」や、後ろのボリュームがないので椅子の背もたれなどに当たらず着崩れしにくい「貝の口」、お太鼓の左右から帯の端が少し出るように結ばれた「角出し」など、様々な帯結びがあります。

では、これらの帯結びはTPOが関係するのでしょうか?
基本的にどの帯結びでも、浴衣を着ていくような場であればTPO関係なくすることができます。
「この時と場所、場合にはしてはいけない」というのはありません。ただ、先にお話ししたように「貝の口」は、文庫結びや蝶結びに比べ立体的ではないので、電車の椅子などに座るとき、背もたれに当たらず崩れにくいです。着ていく場で椅子に座るような状況になるのであれば、「貝の口」はおすすめです。

次に、帯結びと年齢についてです。
こちらも、絶対にこの年代の人がこの帯結びをしてはいけない、というものはありません。
ただ、この帯結びが合う年代、あまり合わない年代というのはあります。
一般的に、帯結びのボリュームが大きければ大きいほど、若い年代の人に合うとされています。
成人式のときに着る振袖の帯結びは、大きくてボリュームのあるものが多いことからもわかりますね。
先にご紹介した、「文庫結び」や「蝶結び」がこれにあたります。
文庫結びは、一番伝統的でポピュラーな結び方なので、年代は関係ないという意見もありますが、それに似ている蝶結びは、中高生から20~30代くらいまでの方向け、という声もあります。
ですので40代以上の方が文庫結びをするときは、ボリュームダウンのために羽の部分を通常より小さめにするとバランスがいいかもしれません。

そういった理由から、「貝の口」は、一番年配向けの結び方といえます。
もちろん若い年代の方でも結んで構わないのですが、男性の帯結びに使われるということもあり、かなりクールな印象になるため、合わせる浴衣が洋風の柄だったり、あまり可愛らしいイメージの色だったりすると、おかしな印象になってしまう可能性があります。
50~60代以上の年配の方は、浴衣の色も地味なものを着る傾向にあるため、「貝の口」が似合うということもいえるでしょう。

また、兵児帯という縮緬地などでできた、ふわふわした帯があります。これは子供が浴衣を着る際に結ぶことがほとんどですが、大人の女性でも半幅帯の上のワンポイントや、帯を簡略化して兵児帯だけを結ぶことがあります。しかしやわらかく広がりがあるために、やはり大人でも若い年代の女性向けという印象があります。

40代以上の女性は、可愛らしい印象よりもかっこよく、「粋」に着る、というのもキーポイントになってきますので、「角出し」などの大人っぽい印象の帯結びもおすすめです。

このように、厳しい制約はありませんが、以上のことを踏まえ、ご自分に合う帯結びを選ばれるといいと思います。

次に、帯結びの番外編として、作り帯についても触れておきます。
若い世代の人たちの夏のおしゃれ着として定着してきた浴衣は、アレンジがしやすく洋服のような感覚で着られることも人気がある一つの理由だと思われます。

通常の着物では違和感があることも、浴衣だと多少着崩すような感じでも受け入れられるので、着付けもかなりお手軽になっていて、その代表的なものが「作り帯」だと思います。

作り帯とは、あらかじめ文庫(リボン)の形に作られている部分と、身体に巻き付ける部分が分かれているもので、自分で帯結びをしなくても簡単に帯がつけられる仕組みになっています。
身体に巻き付ける部分の帯にひもがついているので、それをぐるっと身体に回して結び、背中に文庫型に付いている針金の部分を差し込んで、こちらのひもも同様に身体に結ぶだけで帯結びが完成します。早くきれいにできるので、普段着物に慣れていない方でも気軽に着ることができます。

作り帯は、できた背景が、着物に慣れていない=若い年代、その方が気軽に浴衣が着られるように、と作られたものなので、やはり30代後半や40代以上の方がつけていると、やや不自然な印象になりそうです。

いかがでしたか?浴衣の帯結びとTPO、合わせる年代などについてお話してきました。
必ずこうしなければならない、というものはないので、ある程度はご自分のセンスで、好きに帯結びを楽しんでいいと思います。
そして年齢より見た目が若い方も、逆に落ち着いている方もいますので、必ずしも年齢にとらわれず、その方の持つ印象や雰囲気などによって帯結びを決められてもいいと思います。

着物には必ず守らなくてはいけない制約もありますが、そうでない部分では楽に考え、自由な発想で着こなしを楽しみたいものですね。

浴衣は気軽に着ることができるものなので、若い方もどんどんチャレンジしていって、着物に親しんでいってほしいものです。
帯結びに悩んだら、こちらをぜひ参考にされてくださいね。