こんにちは。今回は雪の日の着物についてお話しします。
雪の日の着物
だんだんと寒くなり、冬が近づいてくると、着物の上に羽織やコートを着るようになります。
そうすると、春や秋とは違う、重ね着のおしゃれが楽しめるようになりますね。
色合わせや柄合わせを考えるのも楽しいものですが、冬になると、場所によっては雪に見舞われることがあります。
着物は絹地でできていることがほとんどなので、雪を吸って水ジミになったり、解けた雪と地面の汚れが混じって、足元に泥ハネを起こしたりする危険があります。
せっかくの着物を汚してしまうと気分も落ち込みますし、汚してしまうかもしれないと考えるだけでも、心からお出掛けが楽しめなくなってしまいますよね。
そのためには、雪の日でも着物を汚さないよういろいろと対策をする必要があります。
お住まいの地域により積雪量は様々だと思いますが、着物でお出かけをする日に雪が降った場合、どのように対策をすればよいのか、次からご紹介していきます。
また、雪が降るということはとても寒い日ということですので、着物でお出かけする際の防寒対策についても触れていきます。
雪の日の着物への対策
【着物】
着ることで着物を雨から守ってくれるもので、防水性の高い素材で作られており、ポリエステルなど化繊のもの、絹製のものでは繻子(サテン)が多いです。防水加工をした大島紬で作られているものも見られます。これは大島紬が絹の中でも水に強く、生地が傷みにくいとされているためです。
1枚仕立ての一部式と、上下で分かれている二部式があり、一部式は着脱が楽ですが、自分のサイズにぴったりと合っている必要があります。基本、着物の裾から1cm程長いのがよいとされています。
二部式は、上だけを着ることによってスッキリと見えたり、下を着る場合にも腰の部分で長さを調整できるので、身長を問わず身に付けることもできたりと、使い勝手がいいです。
衿元は、着物の衿に沿ってV字になっているものと、道行のようにスクエア型になっている物がありますので、お好みで選んでください。
男性用のコートもあります。
雨コートの商品例:[きものネット商会] 着物 雨コート レインコート(二部式 雨晴兼用 13746) 携帯ポーチ付き ワッシャー加工 撥水加工
厚手なので水を通しにくく、暖かいので雪対策と防寒を兼ね備えています。フォーマルな場では不向きですが、気軽な集まりの場などでは着て行くことができます。
【足元】
草履のつま先部分にカバー(爪皮)がついているもので、歩くときにつま先に雪が入り込むのを防いでくれます。
カバーが透明の物、鼻緒や台座と同じ素材で不透明な物など、いろいろな種類があります。素材は牛革や合成皮革でできている物が多く、底にはゴムの滑り止めがついていて、滑りにくくなっています。
足元はつま先から冷えますので、カバーが防寒の役割も果たし、普通の草履より暖かいです。
防寒草履の商品例:[和ごころきもの屋] 防寒 冬草履 【日本製】 雨 雪 冬用 滑り止め付 雪草履 Fサイズ【フリーサイズ】
防寒草履と同じく、つま先を覆うカバーがついている下駄です。高さもあるので、雪の上を歩いてもある程度までは濡れずに済みます。フォーマルな場では履くことができないので、移動中のみの使用にし、現地に着いたら草履に履き替えるようにします。
ビニール製でできており、雪に濡れないようにするカバーです。草履にすっぽりとかぶせて使います。取り外しできるので、普通の草履を履きたい方に適しています。
草履カバーの商品例:[dear-japan] [でぃあじゃぱん] 雨用 草履カバー
撥水加工が施してあるカバーで、足袋の上に履くことで水分が沁み込むのを防ぎます。それでも濡れてしまったときのために、替えの足袋も何足か持っていくとなお安心です。
足袋カバーの商品例:足袋カバー こはぜ付 [なごみや] 足袋カバー 東レナイロンWトリコット 撥水加工 ストレッチ 5枚こはぜ ユニセックス
裏がネル素材やフリース素材の足袋は、濡れることへの対策ではありませんが、雪の日の防寒対策として有効です。足元が冷えにくく、雪の降るような寒い日には重宝します。
冬用足袋の商品例:[あめてまり] 足袋 防寒 冬用 暖かい ネル裏 5枚こはぜ 白足袋 フリース ストレッチ 礼装 おしゃれ 秋冬用 大人 女性 男性 レディース メンズ 男女兼用 二重ネル裏
【小物】
こちらも防寒対策として有効です。首元から冷気が入り込むと寒いので、マフラーで覆ったり、肩先を冷やさないためにストールを巻いたりすると、寒さが軽減されます。
着物の柄を邪魔しない、シンプルな柄や藤色、ベージュなどの淡い色の物がおすすめです。
ロングタイプのものは着物の袖の奥まで覆って素肌を出しませんので、より防寒できます。ウールや革などいろいろな素材がありますが、特に着物の品を落とさないものなら何でもよいでしょう。
着物から出ないように裾を短く調整し、下に履いておくとかなり防寒対策になります。
コートの下で着物の裾をたくし上げて、帯の所で止めておけば、雪の泥ハネを防ぐことができます。コートを脱ぐときにクリップを外し裾を整えます。
和装用の和傘が最適ですが、洋装用でも着物に大きくそぐわないものでなければ問題ありません。
【番外編】
どうしても雪の上を歩かなくてはならないときは、草履は諦め、思い切ってブーツや長靴を履いてしまった方が楽に過ごすことができます。
ブーツはあまり長すぎないショートブーツがおすすめです。
着物に傷をつけないように、極力金具がないものにしましょう。
長靴はあまり大きいと、歩いた時に上から雪が入り込む場合があるのでぴったりめのものを選びましょう。
いずれも現地に着いたら草履に履き替えることを忘れずに。
いかがでしたか?雪の日に着物を着る際の防水対策や防寒対策についてお話してきました。
いろいろなアイテムがありますので、ご自分の好みや用途に合ったものを選んでください。
雨コートや草履カバーは、折りたたんで小さなポーチに収納できるものもあるので、荷物もコンパクトになり便利です。
対策を考えるあまり、あれもこれもと荷物ばかりになってしまっては動きにくいので、そのときの積雪量や気温に合わせて、持ち物の量を調整するようにしましょう。
雪の日でも、いつもと同じように着物を着ることができたら、また雪の日だからこその着物のおしゃれが楽しめたら、とっても素敵ですよね。
これからの季節に向けて、ぜひ参考にされてくださいね。