こんにちは。今回は、浴衣の柄についてです。
浴衣の柄
浴衣には、色はもちろん、柄にも本当にたくさんの種類があります。
昔ながらの「古典柄」と呼ばれる浴衣の柄にはそれぞれに意味があるのをご存知でしたか?
込められた意味で柄を選ぶのも1つの方法だと思います。
次から一般的な浴衣の古典柄とその意味についてご紹介します。
古典柄の浴衣の柄と意味
牡丹・芍薬・・「幸福」「富貴」
「立てば芍薬(しゃくやく)座れば牡丹(ぼたん)」のことわざの通り、牡丹や芍薬は美しい女性の象徴とされ、「幸福」「富貴」の意味があります。
撫子(なでしこ)・・「笑顔」「優美」
大和なでしこの由来であるこの花には、純朴で可愛らしい雰囲気があり、そこから「笑顔」「優美」の意味を持つようになりました。
菖蒲・・「必勝」「礼儀正しい」「魔除け」
「しょうぶ」と読むことから勝負強さの「必勝」、「尚武」から「礼儀正しさ」の意味があります。
または5月の端午の節句に使われることから邪気を払い、厄病を取り除く「魔除け」の効力があるといわれています。
椿・・「長寿」「発展」「継続」
椿の花は、花ごと地面に落ちることから縁起の良くない花ともされますが、木は樹齢800年以上もあるものもあり、不老長寿の霊木として大切にされていたことから「長寿」「発展」「継続」の意味が生まれました。
水仙・・「知性美」
すらっと伸びて、涼やかな印象のある水仙の様子から、「知性美」の意味を持っています。
藤・・「子孫繁栄」「いつまでも美しく」
藤は繁殖力が強く、たくさんの小さい花をつけることから子孫繁栄のシンボルとしてこの意味を持つようになりました。
また花の紫が高貴とされ、女性に例えられることも多いことから「いつまでも美しく」という意味も生まれました。
朝顔・・「固い絆」「愛情」
朝顔の花は1日でしぼんでしまいますが、そのツルはしっかりと支柱にからみつくことから「固い絆」「愛情」の意味を持つようになりました。
菊・・「高貴」「高尚」「高潔」
菊は古くに不老長寿の漢方薬に使われていたことから縁起のいい花とされてきました。
また、天皇や皇室の紋章にも使われていることから「高貴」「高尚」「高潔」の意味があります。
桜・・「始まり」「豊かさ」
国を象徴する花であり、誰にでも愛される桜の花は、春に花を咲かせることから「始まり」「豊かさ」の意味があります。
縁起のいい花として親しまれていますので夏の浴衣にも違和感なく取り入れられたのでしょう。
梅・・「忍耐力」「繁栄」「澄んだ心」
厳しい冬に耐えて、ようやく花を咲かせる梅は、「忍耐力」の意味を持ちます。
また、小さな花を次々に咲かせることから「繁栄」、可憐な印象から「澄んだ心」という意味も持っています。
紫陽花・・「和気藹々(わきあいあい)」「家族団欒」
紫陽花(あじさい)は、花びらが寄り集まって1つの花として咲くことから仲の良さをイメージする「和気藹々」「家族団欒」の意味があります。
蝶・・「復活」「変化」「長寿」
さなぎから蝶に羽化することから「復活」「変化」、「蝶」の音にかけて「長」=「長寿」の意味があります。
「末永く続く」という意味も持っています。
トンボ・・「必勝」
トンボは前にしか進まないという習性から、昔は武士に好まれ「勝ち虫」といわれていました。
そこから「必勝」の意味が生まれました。
金魚・・「幸福」「豊かさ」
涼しげに泳ぐ姿が夏の風物で、縁起物とされる金魚は「幸福」「豊かさ」の意味があります。
また、卵をたくさん産むことから「子孫繁栄」に効果があるともされています。
麻の葉・・「健康」「成長」
麻は成長が早く丈夫なので、健やかな成長を願う意味を込めて赤ちゃんの産着にも使われています。
そこから「健康」「成長」の意味を持ちます。
七宝・・「円満」「調和」
仏教の経典に記された七つの宝を表す七宝は、昔から着物の柄として多く用いられてきた伝統的な柄で、無限に円形が続くことから「円満」「調和」の意味があります。
いまご紹介した柄も含め、実際の浴衣の写真をこちらでたくさん見ることができます。
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身長や体型に合わせた浴衣の色柄選びと着こなし
さて、柄のご紹介をしたところで、身長や体型に合わせた浴衣の色柄選びと着こなしについても触れておきます。
身長の高い方
まず、身長の高い方は、大きい柄が入っている浴衣の方がおすすめです。
身長が高いとそれだけ浴衣の面積も大きくなりますので、大きい柄がきれいに見えるということと、メリハリがついて身長の高さをカバーしてくれる効果があります。
帯の結び方は、少し下の方に結ぶと見る人の目線をずらして、身長が目立ちにくくなる効果があります。
身長の低い方
逆に、身長の低い方は小柄のものを選んだ方が、全体のバランスが良く身長の低いのが目立たなくなります。
また縦線の模様が入っていると、縦に長くすらりと見せてくれるのでこれもおすすめです。
帯の結び方は、背の低い方は少し上の方に結ぶと見る人の目線をずらして、身長が目立ちにくくなります。
上部で帯を折り返すなどして目線を上に持ってくるのもいいでしょう。
また、浴衣と帯の色があまりにはっきり違うと、帯を境に上下が分かれて見え、背の低いのが目立ちやすくなりますので過度に配色が離れていない方がいいようです。
(例:〇オレンジ色の浴衣と黄色の帯、×青い浴衣に赤い帯)
また、一般的に、やせ型の方はふんわりと見える淡色系や暖色系、ぽっちゃり型の方は逆に引き締まって見える濃色系や寒色系の浴衣が、それぞれの欠点をカバーしてくれるのでおすすめです。
いかがでしたか?浴衣の古典柄とその意味、着こなしについてお話してきました。
昔ながらの古典柄には、長い歴史が培った習わしや伝統から生まれた、さまざまな意味があったのですね。
これらの意味を知って、ご自分の気持ちに合う意味合いの浴衣を選んでみるのもいいですね。
お気に入りの浴衣選びに迷ったときの参考になれば幸いです。
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