着付け講師のお二人に「クリスマス~お正月のコーデと成人式コーデ」について伺いました。本記事では、動画の一部を抜粋して会話をご紹介します。
会話全体をご覧になりたい方はきものレシピのInstagramアカウントより動画アーカイブご覧ください。
動画アーカイブ → https://www.instagram.com/tv/CXkhJ9SF09K
プロフィール
入谷悦子 先生
関東(東京、千葉、埼玉)を中心に着付師、着付け講師として活動。
婚礼着付けや撮影用着付けを多数。
西田祐衣 先生
「着物を通して、女性が自信を持てる社会にする。」自らの経験から大阪で「きものキャリア」を開業。
【最短でプロ並みの着付けが叶う独自メソッド】と【都会的でかっこいいスタイリング】で国内外問わずオンラインでも受講者多数。
Kensuke
着物専用のコーディネート管理サービス「きものレシピ」の企画・開発・運営を行なっています。
クリスマスコーデ
では、まず本日(12/17)のお二人のコーディネートについてお聞きしたいと思います。
まずは悦子先生からお願いします。
大島紬にクリスマスカラーの赤と緑と金茶のラインが入っている長着に、祐衣先生のコーデを真似して帯揚げにスカーフを合わせています。
長着が大島でシンプルなので、帯揚げに花を入れています。
半襟はグリーン、帯留はサンタ帽子をかぶったペンギンで、クリスマスらしいコーディネートです。
三分紐はグリーン。シルバーにしようかとも思いましたが、昼間のライブなのでグリーンにしました。
次は祐衣先生、お願いします。
あえてクリスマスカラーじゃないカンジのクリスマスコーデにしてみました。トイザラスで見たクリスマスツリーの中に、ライトグレーのツリーにピンクのキラキラしたオーナメントがついているものがあり、そのイメージで、大人の女性らしいクリスマスコーデにしてみました。
着物はシルックさんの着物で、10年選手くらいです。光沢もちゃんとあって色合いもきれいです。帯は、シルバーっぽい薄いピンクでつなぎの七宝柄です。クリスマスに、洋風にしようしようと思わなくても、七宝柄で洋風になれるんです。
美しいキモノの誌面でも出させていただきましたが、イヤリングを帯留にしています。
~お二人のコーディネイトのコメントから~
お正月コーデ
お正月コーデについてはいかがでしょうか。
今でも間に合うクリスマス準備、そしてお正月コーディネートを提案したかったので、同じ着物・同じ帯で、クリスマスだけでなくお正月にも合うコーディネートをきものレシピにUPしています。
帯揚げについては、お正月というと紅白になりがちですが、黄色を金と見立てて、明るい感じにして、おめでたさを表現するといいかなと思いました。
クリスマスコーデでは洋っぽくするために帯締めは三分紐にして、帯留にイヤリングを着けたんですが、お正月はしっかり結ぶ紫の帯締めにして、結び目を真ん中に持ってきて、耳にイヤリングを着けると、和っぽくなって、格も上がります。
年末年始バタバタして、でも、クリスマスもお正月も着物を着たいっていう人を応援したいなと思って、小物変えるだけで印象チェンジしていきましょうという提案でした。
お正月は格の高い着物を着るべきでしょうか。
お正月だからって、特に格調の高い着物を着なきゃいけないっていうわけではないです。
お出かけする場所や会う人によるんじゃないでしょうか。
普段よりちょっと背伸びをしたというか、新年らしいお目出たい雰囲気にしようと思うと、着物らしい柄とかを取り入れると、古き良きしっかりした着物の雰囲気が出るんじゃないかなと思いますので、例えばこういう小花柄とかは良いですよね。帯も七宝柄という和柄の定番なので、お正月にも良いですよね。
松の内の間は、織の着物より染の着物をなんとなく着たくなりますよね。めでたい感じと華やかな感じがあるので。その後はどんどん寒くなるので、あったかい系の織の着物もいいですけど、華やかな雰囲気のものを選ぶのがお正月らしくて良いですよね。
なるほどですね!
~クリスマスの着物について~
祐衣先生の今日の一言
クリスマスはイルミネーションの下で着物ってちょっと斬新じゃないですか。和のものだから洋風のイベントには合わないっていうんじゃなくて、洋に和を寄せていくっていうのも楽しいと思います。
成人式コーデ 〜ママ振のススメ~
それでは成人式のコーデについて、悦子先生にお伺いしたいと思います。
最近は、レンタルも多いですが、「ママ振」つまり、お母さんの振袖を着る人が多いです。ママの振袖一式あるけど、そのままで着ると、ちょっと古臭い。そのままだと娘は着たくない。でも親は着てほしい。どうしましょっていうことになって、小物のアレンジの話になります。
帯を新しくしましょうとか、大きいものを買い替えるのは簡単なんですが、最初におすすめするのは半襟からですね。お母様の頃には白の半襟を合わせていたのでしょうが、お色味のあるものに変えましょうとか、重ね襟を変えましょうとかをご提案します。あとは帯揚げ、帯締めを変えましょうという話になりますね。
小物を変えて、ヘアスタイルを変えて、着付けを変えるだけで、お母様の振袖とは、全然変わります。
是非、お嬢様たちは、お母様の振袖を着てほしいですね。
~成人式コーデ:コーデの実例~
※コーデの実例はインスタライブで写真を見ながらお楽しみください※
動画アーカイブ → https://www.instagram.com/tv/CXkhJ9SF09K
~成人式コーデ:近年のトレンド~
近年とトレンドはいかがでしょうか。
ゆるふわ系の子とタイト系の子と両極端の傾向があります。
ひと昔前って、古典ならザ・古典で、頭の先から足の先まで古典で、大正時代から出てきましたか?って感じの子とか、反対に本当に両極端で、ザ・レンタルというか、ザ・今の感じの子っていうのがいましたね。最近は、MIXな感じになってきたなと思います。
ちょうどよい塩梅だなと思ったりします。
~成人式コーデ:直前でも変更のきく帯結び~
成人式の帯結びはどのように選んで着せつけているのでしょうか?
帯の形に関しては、撮影だけか当日お出かけなのかによって違います。
あとは、帯結びを決めるポイントは身長です。
小柄なお嬢様は高めにポイントを持っていて足を長く見せたり、背が高いお嬢様は片流しとかで、たけをとってあげたほうが、バランスが良くなるんですよね。背が高いお嬢様に小さい帯結びにすると、木にセミが止まっている感じになるんです。
後は、コンプレックスにあわせて、お尻が大きいんですとかであれば、お尻が隠れる結び方にしたりもします。
あとは、ここが苦しいですとかっていうのは、早めにいったほうがいいです。
一日具合悪かったらいやな思い出になってしまうので。
こんな帯結びにしてほしいと雑誌で見たものを持ってこられても、帯の長さとか柔らかさとかによって違うので、お任せにしてしまうというのもアリだと思います。
着付け師の技量によっても違いますが、帯結びをちょっと変えるだけで、背の低い子や高い子にあわせることもできるので、当日、合わせてもらうっていうのもアリだと思います。
こちらは、私が今年やりたいなと思っている結び方です。
これも、背が高いお嬢様・低いお嬢様に合わせて、アレンジ次第で変化できます。
一生に一度のことなので、その日にイヤなコーデをされたら、一生思い出に残るんですよ。美容師さんとも着付け師さんともよくお話をしてください。遠慮しないで伝えていただくのが大事です。
成人式を良い思い出にできるように、着付師は日夜努力しています。
お嬢様たちも、体調万全で、体調を整えてのぞんでいただきたいです。慣れない格好で大変だと思いますので、本当に、体調を整えて頂きたいです。
大変勉強になりました。
また次回もよろしくお願いいたします。
新成人の皆さま、良い思い出になる成人式をお迎えください☆
東レシルック@美しいキモノ(2021年冬号)
今回お話をお伺いしした西田祐衣先生が「東レシルック」の記事で「美しいキモノ(2021年冬号)」にご登場されています。ぜひ書店などでお手に取ってみてください。